PCBとは|人体への影響や処分が必要な理由を解説

2026.01.22
PCBとは|人体への影響や処分が必要な理由を解説

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は人体に有害とされ、すでに製造が禁止されており、国際的にも「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」において製造・使用・輸出入が厳しく規制されています。

PCBが使用されている製品を保有、もしくは発見した場合には早急に報告・処分が必要ですが、なぜここまで厳しい規制がなされるようになったのでしょうか。

そこで本記事では、そもそもPCBとはなにか、また具体的にどのような悪影響を及ぼすのかについて詳しく解説します。

あわせて、もしPCBが使用されている製品を保有・発見した場合の処分方法についてもご紹介するので、「もしかしたらまだうちの会社に残ってるかも…」と気になっている方はぜひ参考にしてください。

PCBとは|特徴と用途

PCBとは、「ポリ塩化ビフェニル(Poly Chlorinated Biphenyl)」の略称で、「人工的に作り出された油状の化学物質」です。

耐熱性や絶縁性、不燃性に優れるとされており、過去には電気機器の絶縁油や感圧紙など、幅広い分野で使用されてきました。

しかし、現在では有害物質として特定されており、日本国内では製造・輸入・新規使用が禁止されています。

また、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」により、世界的にも厳しい規制が行われています。

PCBの特徴

人工的に作られた油状(油のようなどろりとした状態)の化学物質であるPCBには、次のような特徴があります。

水に溶けにくい沸点が高い不燃性
熱で分解しにくい電気絶縁性が高い化学的に安定した性質

PCBが使われている主な製品・場所

PCBが使われている主な製品や場所として、以下のようなものが挙げられます。

  • 電気機器の絶縁油
  • 産業設備の温度調整・機械保護のオイル
  • 建材・事務用品を丈夫にする混合物

電気機器の絶縁油

PCBの電気を通さないという性質により、火災を防ぐためのオイルとして次のような製品で広く使われていました。

  • 変圧器(トランス): ビル、病院、工場、鉄道、船舶の受電設備
  • コンデンサー: 産業用機器のほか、古い家電(白黒テレビ、電子レンジ)にも
  • 照明器具: 古い業務用蛍光灯の「安定器」

産業設備の温度調整・機械保護のオイル

熱に強く、過酷な環境に耐えることを目的として、次のような場面でオイルとして使われていました。

  • 熱媒体:工場の加熱・冷却システム、船舶の燃料加熱、パネルヒーター
  • 潤滑油/作動油:高温用機械の油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油

建材・事務用品を丈夫にする混合物

高い不燃性、油状であるが故の柔軟性を活かし、燃えにくくしたり、柔軟性を出したりするために次のような場所でも使用されています。

  • 電線/樹脂:電線の被覆ゴム、絶縁テープ、難燃プラスチック
  • 塗料/建材:サビ止め塗料、窓枠のシーリング材、ワックス、アスファルト
  • 紙類:ノンカーボン紙(古い複写伝票)、コピー用紙のコーティング

PCBの人体や環境への影響

PCBは、人体や環境に対して、さまざまな悪い影響を与えます。人体への影響、環境への影響それぞれについて解説します。

PCBの人体への影響

PCBに触れただけではすぐに健康被害が出ることはあまりありませんが、体内に蓄積されることによって以下のような健康被害を及ぼします。

爪や口腔粘膜の色素沈着(黒ずみ)ニキビのような湿疹(塩素座瘡)爪の変形
まぶたや関節の腫れ肝機能障害全身倦怠感
しびれ免疫機能低下発がん性の疑い

PCBの環境への影響

PCBには「消えない(難分解性)」・「溜まる(生物蓄積性)」・「広がる(長距離移動性)」という性質があり、環境に対して次のような悪影響を及ぼします。

  • 消えない(難分解性) :
    自然界ではほとんど分解されないため、一度環境に出ると、土壌や海底に半永久的に残り続ける。焼却するとダイオキシン発生リスクもある。
  • 溜まる(生物蓄積性):
    水には溶けず「油」に溶けやすいため、生物の体内の脂肪に蓄積される。その結果、食物連鎖を通じて濃縮され、人間へ深刻な健康被害をもたらす。
  • 広がる(長距離移動性):
    大気や海流に乗って地球規模で拡散してしまう。

PCBが禁止となった経緯

禁止となったきっかけは、昭和43年(1968年)に起こったカネミ油症事件で、この事件によってPCBに対する規制をする動きが活発になりました。

カネミ油症事件は、西日本を中心とした大規模食中毒事件で、カネミ倉庫が製造する米ぬか油が原因でした。

裁判では製造工程の脱臭工程でステンレス管を流れるPCBが管を腐食、漏れ出して米ぬか油を汚染したことが混入原因と指摘されましたが、明確な原因ははっきりとしていません。

この事件により、PCB自体に対して規制が強化。日本では昭和47年(1972年)に製造・輸入が禁止されました。

事件当時、約1万4,000人以上の方々が被害を訴えており、50年以上経った現在でも、いまだに被害に苦しむ被害者が多くいらっしゃいます。

参考:経済産業POPs条約

PCB廃棄物を処分するには

PCB廃棄物の処分方法は、含まれている「濃度」によって法律で厳格に分けられています。

高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物、それぞれの処分方法の違いをご紹介します。

濃度による処理ルートの違い

PCB廃棄物は、濃度によって「どこで処理するか」が決まります。

区分PCB濃度処理を担う場所
高濃度PCB廃棄物5,000mg/kg超JESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)
低濃度PCB廃棄物0.5〜5,000mg/kg・環境大臣が認定した無害化処理施設

・都道府県知事の認可を受けた事業所

【重要】

高濃度PCBの処分は「終了間近」となっており、 高濃度PCBの処理事業は2026年(令和8年)12月26日に完全に終了します。

ただし、新規の登録受付はすでに締め切られているため、発見した場合はただちに専門機関への報告が必要です。

参考:中間貯蔵・環境安全事業株式会社【お知らせ】PCB 処理事業の終了に向けた高濃度 PCB 廃棄物の登録締切日について

代表的な処理技術

PCB廃棄物を無害化するために、国が認めたさまざまな技術が採用されており、以下のような方法があります。

  • 水熱酸化分解:高温高圧の水を使用してPCBを分解する処理方法
  • 脱塩素化分解:PCBの分子内の塩素原子を水素などに置き換え、異なる物質に変化させる処理法
  • プラズマ溶融分解:プラズマをPCBに噴射し、PCBを分解させる方法
  • 焼却:有毒ガスを発生させないように1,100℃以上の高温で焼却する
  • 洗浄:PCBを分解・無害化する溶剤で洗浄する

PCB廃棄物の代表的な処理方法の詳細はこちらから確認できます

処分までの流れ

PCBの廃棄物の処理は、法令に基づいた「特定・届出・委託」の手順が必要不可欠です。

  1. 調査・特定:機器のメーカー名や製造年(1972年以前が目安)を確認
  2. 届出:PCBが見つかったら、自治体(都道府県等)へ保管状況を報告
  3. 収集・運搬の委託:「特別管理産業廃棄物」の運搬許可を持つ業者に委託する
  4. 処分:PCB濃度に応じて、国(JESCO)または環境大臣認定の民間施設へ委託する
  5. 処分完了:マニフェストの発行・完了報告の提出

東亜物流では、PCB廃棄物の処理を承っております。

「全て処分したつもりが、新しく発覚した」
「まだ残っているのに、処分業者が見つからない」

このようなお悩みのある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

PCB廃棄物の処理は東亜物流までご連絡ください!

高濃度PCB廃棄物の処分についてはすでに受付も締め切られており、低濃度PCB廃棄物の処理期限も2027年3月31日までと、もう間もなく終了となります。

しかし、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の制定以降の一部機器に汚染の可能性があることがわかっているため、関連する企業には早急な対応が求められています。

「もしかしたら、まだPCB廃棄物が残っているかもしれない」
「期限が近いから、どこの業者も忙しくてなかなか依頼を請けてもらえない」

このようなお悩みのある方は、まずはお気軽に東亜物流までご相談ください。

東亜物流では、PCB廃棄物の収集・運搬に必要となる「特別管理産業廃棄物収集運搬業」の許可を取得。

また、PCB廃棄物を安全に、そして確実に運搬するための専用車両も保有しておりますので、法律に則ってPCB廃棄物の撤去・運搬をさせていただきます

さらに、運搬したPCB廃棄物は提携の処分業者によって処分するので、お見積り・撤去・運搬はもちろん、処分に必要となる契約手続きや運行計画、報告書作成まで一貫してお任せいただくことが可能です。

処理期限が目前まで迫っている今だからこそ、できる限り早くPCB廃棄物の処分を行い、企業としての社会的責任を果たしたいとお考えの方は、お早めに東亜物流までご相談ください。

まとめ

人体はもちろん、環境へも大きな被害をもたらすPCBは、すでに製造・使用・輸出入が禁止されてはいるものの、まだ全ての処分が終わったとはいえない状況となっています。

しかし、低濃度PCB廃棄物の処分期限は2027年3月31日と、もうあとわずかとなっており、企業には早急な対応が求められています。

とはいえ、PCB廃棄物は処分だけでなく、処理施設まで運搬できる業者も限られており、期限間近になると混雑し、すぐに対応してもらえない可能性があります。

「ギリギリになって業者が見つからず、罰則が科せられてしまった」という事態を回避するためにも、ぜひ東亜物流までお早めにご相談ください。

法律に則って期限内にPCB廃棄物の処分を行い、企業の社会的責任を果たすためのお手伝いをさせていただきます。